「わー、綺麗な花畑だぁ」
一面に広がる様々なお花さんたち。
そのどれもが美しさを競い、咲き乱れている。
「わあーい、蝶々だあー。蝶々さん、待てー」
「ちょっ、横島君! 横島君ったら!」
蝶々さんを追いかけて、お花畑を走っていると、不意に左腕に人の重さを感じる。
俺の左腕を掴んで揺さぶっているその人は、俺がずっと追い求めていた、あいつだった。
「なんだ……ルシオラじゃないか。こんな所に居たんだな」
「え!? ちょっと、戻ってきなさいよ」
「お、いつの間にこんなにおっぱい大きくなったんだ、こいつぅー」
「んっ、こら! どこ触ってんのよ、この馬鹿!!」
ルシオラとも逢えたし、俺の旅ももう終わりだな。
そんな事を考えながら、ルシオラの胸に顔をうずめ、すりすりする。
あぁー幸せやなぁー、僕は君とこうしている時が一番幸せなんやぁー。
「こらっ! さっさと戻って来い!! こん、エロガキ!!」
「ぐおうっ!?」
ルシオラの胸と戯れていた俺の腹に拳がめりこむ。
彼女から離れ、痛みに耐えながら顔を上げると、そこには真っ赤な顔をした美神さんがいた。
「……あれ? ルシオラは? お花畑は? 蝶々は?」
「あんたね、オ○ニー覗かれたくらいで現実逃避してんじゃないわよ、もう!」
溜息混じりに話す美神さん。
ちくしょう、やっぱり夢じゃなかったか。
わかってた、わかってたよ、こんちくしょう。
「オ○ニー覗かれたことのない人にはわからないっすよ。この恥ずかしさは……」
「でも、あんたって結構どこででも裸になってるじゃない? 平気かと思ってたのよ」
「オ○ニーと裸、見られるのと見せる。全然違いますよ」
「あ、やっぱり?」
開き直ったのか、堂々と話す美神さん。
このネタでずっとからかわれるような気がしてきた。
なんとか無かったことにできんもんかな?
記録をぶち壊すか? それでも見た人の記憶には残るんだよな……だめか。
「覗いてたのは悪かったわ、ごめん。でもほら、若いんだしさ、気にしない気にしない、ね」
でもそうなると、見てた人間の記憶を消すしかないのか……面倒くさいな、それは。
……美神さんがなにやら言っているが聞こえないぞう。聞こえないんだい。
「それに、あんたのって結構、その、さ。……立派らしいしさ、あはは、何言ってんのかしらね、私。あはは」
ほんと、消えてなくなりたい。それで監視される前に再生されたいよ……。
……ん? ……監視される前に……再生される?
「そうだ! その手があるじゃないか!!」
「……は?」
俺に殴りかかったポーズのまま、唖然とした顔の美神さん。って危ないな、おい。
だが、そんな事を気にしている場合じゃない。
これさえ上手くいけば、俺は己の恥を雪ぐことができる。
オ○ニーを覗かれずにすむ!!
「美神さん、俺もう一回逆行します!!」
「……は?」
唖然とした顔から一転、疑問顔になる美神さん。
「だから、監視される前に戻るんですよ。そうすれば色々覗かれずにすむじゃないですか」
「……あー、残念だけど、それ無理」
コメント
第四話です。色んな意味で微妙なヒキです。早いうちに五話をアップします。
て言いますか、なんと言いますか、私っておっぱいと戯れるの好きだなぁ。
ということを再確認。…自覚はあったんですよ。